「腸内環境が悪い人は 大病を患う」という格言をご存じですか。
腸内環境が悪い代表格は便秘ですが、便秘といえば「水分・食物繊維・乳酸菌」と思っている人には、受け入れがたいかもしれません。
水分について
水分はある程度は必要ですが、飲みたくなったら飲めば、無理して飲むほど必要ではありません。
それは、腸はストローみたいな筒状ではありません。
洗濯機の排水ホースのような蛇腹。
山折り谷折り状なので、便を水分で流そうとしても流れませんし、蠕動運動で便を肛門へと運んでいるのです。
食物繊維について
食物繊維はある程度必要ですが、野菜をたくさん食べる必要はありません。
便秘の人が野菜をたくさん取ると不溶性食物繊維が多くなり、便秘の状態で便の量が増えることになり、便が詰り余計に便が出にくくなりますので要注意です。
乳酸菌について
乳酸菌もそれほど必要ではありません。
乳酸菌が多い腸の状態はとても良い状態ですが、これは腸の状態が良い人は、乳酸菌が多いという結果論です。
乳酸菌を増やしたからといって、腸の状態は良くなりません。
また大腸でのビフィズス菌と乳酸菌の割合は、なんと99.9%がビフィズス菌、0.1%が乳酸菌なのです。
本当に増やしたいのは、乳酸菌ではなく、ビフィズス菌なのでは?
ちなみに乳酸菌には、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌があり、農耕民族の日本人には一律相性が良く効果を期待できるのは植物性乳酸菌です。
逆に動物性乳酸菌は個人によって相性が異なり、乳製品自体も乳糖不耐の遺伝子を持っている日本人には、相性が良いとは言えません。
このように「水分・食物繊維・乳酸菌」を取ることよりも、便を肛門まで運んでくれる腸の蠕動運動を活発にすることが本当の便秘対策なのです。
蠕動運動について
蠕動運動は、我々の意思とは関係なく働く、自律神経によってコントロールされています。
内臓の働きは自律神経よってコントロールされているので、夜寝て意識がなくても勝手に働いてくれるので、朝起きると昨日と同じように生活できるのです。
ちなみにこの内臓の働きの中で、唯一私たちの意思でコントロールできるのが呼吸です。
ですから呼吸で緊張(交感神経)を和らげる(副交感神経)ことができるのです。
蠕動運動の働きが悪い原因は、自律神経のバランスが乱れて、腸のコントロール不能になっているのです。
自律神経のバランスを乱す原因ベスト5
1位 睡眠の質が悪い
2位 ストレス
3位 朝寝坊
4位 首コリ
5位 運動不足
もっとも自律神経のバランスを乱す順位です。
また蠕動運動の働きが悪くなる原因が、もう一つ「腸のエネルギー不足」です。
私たちもご飯を食べなければ働けませんよね。
それと同じで腸にとってのご飯、エネルギーが不足しているのです。
脳のエネルギー源はブドウ糖、筋肉のエネルギー源はグリコーゲンとどちらも糖の一種です。
では腸のエネルギー源はというと酪酸とグルタミンです。
大腸の1番目のエネルギー源の8割が酪酸、2番目がグルタミン、小腸粘膜の最大のエネルギー源もグルタミンなのです。
このエネルギー源、酪酸とグルタミンが不足するために、腸管の蠕動運動の働きが悪くなっているのです。
酪酸は、腸内にいる酪酸菌が作り出してくれますが、酪酸菌のエサになるものが不足すると腸のエネルギーが不足してしまいます。
またグルタミンは体内で生成出来ますが、疲れをためたりカラダにストレスがかかっていると大量消費され、自前で生成しただけでは足らなくなってしまうのです。
便秘、蠕動運動の働きが悪くなるのは、自律神経のバランスの乱れと腸のエネルギー不足が原因なのです。
自律神経のバランスの乱れ
自律神経が蠕動運動をコントロールしているので、ここが肝心になりますが、
自律神経はお任せください!
専門ですから(笑)
腸のエネルギー不足
まずは食べる量を減らし、腸の負担を少しでも減らします。
野菜類(不溶性食物繊維)は、極力減らし溜まっている便を一度出し切ることです。
そして食事は、お腹が空いてから食べることです。
出来れば、動きが悪くなっている腸の動きを取り戻すために、空腹で動かして(グーグーなるやつ)あげることがとても有効です。
お腹が空かなかったら、一食抜くことができれば、なお効果が期待できます。
食べる物は、水溶性食物繊維とグルタミンになります。
酪酸菌のエサとなる水溶性食物繊維を積極的に取ることで、酪酸の生成を増やします。
グルタミンは、生肉・生魚・生卵に多く含まれていますので、生のタンパク質を積極的に取ることです。
なおグルタミンは40℃以上の熱を加えると、成分が変性してしまいますのでご注意ください。
最後に腸の動きを後押ししてくれるのが、適度な運動です。
座っている時間が長い人に、便秘や腸の不調の人が多いことからも、運動が腸の動きと相関しているのは明らかです。
以上、便秘の本当の原因と対策でしたが、私も20年以上前に過敏性腸症候群で3年苦しみました。
自律神経のバランスの乱れが原因で、蠕動運動が悪くなり、便秘や下痢、腹痛を繰り返します。
お腹の調子が悪いと、気分はめいるし楽しめないし頑張れない、余計な不安や心配が募り、消化不良の毎日。
オマケに「腸内環境が悪い人は 大病を患う」と未来も良いことなしです。
しかしあと少しで20年、私の腸は不安が全くありません。
お・た・め・し・あれ!